New Discs

アナログ・マスターからのハイレゾ音源化


Victor STUDIO HD-Music
P. 2016/6/29

http://hd-music.info/artist.cgi/409

レイモン・ルフェーヴル◎ハイレゾ・ベスト

 前回発売されたハイレゾ・アルバムはCDのマスター、つまり44KHz/16bitのデジタルマスターからおこしたもので、20KHzより高い周波数についてはビクターが開発したK2の補正技術で補われています。今回は日本にあるアナログ・マスターから制作していて、20KHzより上の音も幾分かは収録されているでしょうから、その意味ではマスター・テープに近い音になっていると思います。
 以前、青山にあるビクタースタジオで定期的にハイレゾの試聴会をやっていて、そこでmp3とかCDとかとの音の違いを聴かせてもらうことができました。残念ながらルフェーヴルの音源は聴かせてもらえませんでしたが、いろいろなジャンルの音を聴いてみると、確かにハイレゾはCDと違って音の粒立ち(分離)がよく、音場の奥行きもCDとの差を感じとることができました。
 で、問題はこのルフェーヴルの音源はどうなのかというところなのですが、最新のハイレゾに対応したスピーカーならもう少し差が出るのかもしれませんが、私の再生環境では正直違いがよくわかりませんでした。ただ、これまでビクターから発売されてきた多くのCDの音源はバークレーのアナログ・マスターからマスタリングされたものですので、そういう意味では音そのものの違いを感じる曲はあります。いちばんわかりやすいのは「シバの女王」でしょう。どちらの方が音質が良いかは、この次元になると音の好みもあるでしょうし、テープの保管状態やデジタル・マスタリングの丁寧さなどで違いが出てきますので、何とも言えません。
 個人的にはプゥルセルでやってるように、劣化した部分や当時のアナログ録音技術では限界だった部分を音楽のニュアンスを変えない程度に補正してくれてもよかったように思います。
(2016/7/10)

Disc 1

1. La Reine De Saba / シバの女王
2. Concerto Pour Une Voix / ふたりの天使
3. Allegro De La 40eme Symphonie / 愛よ永遠に
4. Le Canon De Pachelbel / 涙のカノン
5. Adagio De La Sonate Au Clair De Lune / 月光のソナタ
6. Air On A G String / G線上のアリア
7. Pathetique Sonata, Adagio / 幻想のアタージョ
8. Aranjuez Mon Amour (Concierto de Aranjuez) / 恋のアランフェス
9. Âme Câline (Soul Coaxing) / バラ色の心
10. Une Belle histoire / 愛の歴史(Mr.サマータイム)
11. Emmanuelle / エマニエル夫人
12. Holidays / 愛の休日
13. Que Je T'aime / とどかぬ愛(ク・ジュ・テーム)
14. Pour Un Flirt / 青春に乾杯
15. Et Maintenant (What Now My Love) / そして今は
16. Mourir D'Aimer / 愛のために死す(炎の恋)
17. Yuki No Furu Machi Wo / 雪の降る街を