フランシス・レイの「男と女」をピエール・バルーとともに歌ったことで知られるニコール・クロワジーユが1975年にヒットさせた作品で、同年4月の月間ヒットチャートでは5位まで上っています。クロワジーユはステージでの活動が多いようなので、こういうヒットを狙った作品のレコーディングは珍しいと思います。
 元はイタリアの"Donna Con Te"という曲で、ルフェーヴルも演奏している「Inno / ふたりの賛美歌」を歌ったミア・マルティーニが1975年にヒットさせました。Anna Oxa / アンナ・オクサが歌いルフェーヴルも取り上げた作品も同じ曲名のものがありますが、意味は「あなたと一緒にいる女性」ですから同名異曲が出てくるのは仕方ないでしょう。

●Donna Con Te / Mia Martini(ミア・マルティーニ)

 ミア・マルティーニのYouTubeを見ると、Composer: Vito Pallavicini、Lyricist: Alfredo Ferrariと書かれています。Composerつまり作曲者のVito Pallavicini(ヴィート・パッラヴィチーニ)は「この胸のときめきを」の作詞を手がけらた方のようですね。作曲もされるようです。Lyricistつまり作詞者ですが、こちらはAlfredo Ferrari(アルフレード・フェラーリ)という方のようです。同姓同名で車のフェラーリの創始者のご子息の方がいらっしゃいますが、それでかどうかはわかりませんがFredo Ferrariという変名でも活躍されている方です。日本人シャンソン歌手が時々取り上げる「パリは不思議」という、2008年には稲葉晃が「愛の流れの中に / Parigi a volte cosa fa」としても取り上げた作品があるのですが、これもアルフレード・フェラーリが作曲者として名を連ねています。
 「パリは不思議」は日本人のシャンソン歌手が好んで取り上げるナンバーなんですが、イタリア生まれの曲だと知ってて歌ってるのだろうか…。

●Une femme avec toi / Nicole Croisille(ニコール・クロワジーユ)

 さて、クロワジーユの「あなたとともに」です。フランス語の歌詞はPierre Delanoë / ピエール・ドラノエによるものです。さすが、ステージで鍛え上げられた表現力が活かされた歌い方ですね。
 こちらはルフェーヴルの演奏。こういう曲を取り上げて歌のない演奏だけの作品に仕上げられるアレンジャーなんていないですね。

●Une femme avec toi / Raymond Lefèvre

 話は全然かわりますが、この曲がヒットした頃である1975年4月のヒットチャートを調べてみました。主な曲の順位は以下のとおり。イージー・リスニング・ファンなら涙出そうな曲ばかり。
 1位 フリオ・イグレシアスの「マヌエラ」
 2位 ニーノ・フェレールの「憧れの地平線」
 4位 アラン・バリエール&ノエル・コルディエの「君は去りゆく」
 9位 ビリー・スワンの「アイ・キャン・ヘルプ」
 15位 沢田研二の「巴里にひとり」
 24位 デミス・ルーソスの「そよ風の想い出」
 25位 ティーチ・インの「愛の鐘の音」
 44位 ダリオ・バルダンの「幻想のアリア」
 47位 ニコレッタの「愛につつまれて」
さらに、5月に目を移すと、
 19位 マイク・ブラントの「フィーリング」
 29位 ビンボー・ジェットの「ラ・バランガ(イヴの十字架)」
 33位 アバの「アイ・ドゥ・アイ・ドゥ」
そして、3月に目を移すと
 45位 ニコール・リュウの「そよ風の贈りもの(スターを夢見て)」

が顔を出します。いい時代ですねぇ…。
ルフェーヴルのNo.20 "Aria"のアルバムの収録曲12曲のうち8曲が、この時期の作品なんですね。