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 葉加瀬太郎が影響を受けたクラシック&映画音楽/イージー・リスニング

CD+DVD:HUCD-10282/B
3,700円(消費税8%込み時の価格)
 
※上記は限定盤のジャケット写真で、別にCDのみの通常盤があります。
CD:HUCD-10283
3,240円(消費税8%込み時の価格)
P. 2019


Dal Segno - Story of My Life / Taro Hakase

葉加瀬太郎がヴァイオリニストの原点に立ち返り、これまでいろいろな節目で出会ってきたクラシック曲やイージー・リスニング、映画音楽の名曲をレコーディングした作品集です。初回限定で、今回の演奏曲目や演奏にあたっての裏話などを語った52分に渡る映像を収録したDVD付きの特別版も発売されていて、なぜかAmazonではCDのみの盤より安く売られていますので、今(2019年夏)買うのなら、そちらの方がいいでしょう。
伴奏は打ち込みシンセに加え、ナマのストリングスやギターも加わったサウンドで、表情豊かな葉加瀬さんのヴァイオリン演奏を際立たせています。
 
「涙のトッカータ」については、葉加瀬太郎自身が練習の合間にハナ唄でつい口づさんでいた曲で、アレンジャーも世界で一番好きな曲と言い、マッサージしてくれた女性はエレクトーンの発表会で演奏した曲だと言った、という思い出を映像の中で語っていました。
そういう音楽なんですね、イージー・リスニングは。普段の会話の話題には出てくることはないけれど
、ひとりひとりが秘めたる思い出の曲として心の中に大切に持ち続けている音楽。それが、イージー・リスニングなんです。
インタビューの中で「"涙の"とつけるところが時代だよね。」と言っていますが、葉加瀬さんがバッハの作品を基に作った曲名に、"渚の…"とつけてしまっているあたりにも、葉加瀬さん自身が、その時代の影響を受けているんだな、ということを感じさせてくれます。(「渚のアデリーヌ」的な…)
 
日本人で、これだけの感性を持ったアーティストがついに現れたんだと衝撃を受けた、Kryzler & Kompanyのデビューが30年前。当時の会報に「亡き王女のためのパヴァーヌ」に、こんな演奏の仕方があったのかと書いたことを思い出します。名曲の良さを後世に伝えていく、という大人の仕事として取り組んだ今回のアルバム。葉加瀬さんのヴァイオリンの豊かな響きが、みなさんがお好きなあの曲この曲の、これまで気づかなかった魅力を教えてくれることでしょう。
(2019.8.14)

Disc 1

01. パガニーニの主題による狂詩曲 Op.43
02. トルコ風コンチェルト
03. 涙のトッカータ
04. さよならをもう一度
05. ロマンス
06. 渚のインベンション
07. 新日本紀行
08. 太陽がいっぱい
09. リベルタンゴ
10. 夜空のパヴァーヌ
11. ムーン・リヴァー
12. ウィンターソング ~ 四季より


2019年8月7日朝刊に載った全面広告